沖縄のレジリエンス(復活力)への期待

 先だって、長寿日本一が発表され、沖縄は長寿県から転落した。
 男性は30位、女性は3位という結果は、健康長寿というブランドイメージをそこなうものだろうか。
 実はすでに、戦後アメリカ統治下の沖縄にわたり、アメリカ化する食生活と県民の未来を案じ、食生活改善運動を行った人がいた。その人の名は、長年にわたって玄米菜食と自然療法を提唱してきた東城百合子さん。御年89歳である。
 2013年に東城さんの講演会が地元であり、会場は超満員であったが、幸いにもお話を聞くことができた。 
 その講演会のあと図書館で東城さんの本を借りて読み、彼女の健康運動の原点は、沖縄での食生活改善運動であったということを知ったのである。
 わたしは1988年から沖縄に通い、沖縄の素晴らしい人たちや魅力的な島ハーブと島野菜、そして神ごとと伝統行事を紹介する文を書いてきた。
 2005年に『島唄の奇跡』という本を出版した後、うつ病にかかり、沖縄への旅もできず、多くの人に迷惑をかけながら仕事を断りつづけ、引きこもり生活に突入・・。
 しかし、良きドクターに出会い一昨年の夏ごろから始めた食事療法で、奇跡的に病から回復できたという経験がある。
 多くの病に悩む人々に食の大切さを知ってほしい。わたしが闇から脱出できたように、早く光あふれる世界にもどってきてほしい。
 その思いは、沖縄が長寿県転落から立ち上がり、また日本一、いや世界一に復活することへの期待に、どこか重なるものがある。
 沖縄の復活力、レジリエンスを見届けるために、また沖縄への旅をはじめたい、いまの沖縄でこそ、食生活改善運動の火をふたたび灯す、そのお手伝いができればうれしいと思う。