東京竹富郷友会創立90周年記念公演に行きました!

 昨日の日曜日は、王子の北とぴあ さくらホールで竹富島の懐かしい演目が上演されるというので、チケットを送ってもらってでかけた。

『世ば稔れ(ゆばなうれ)』というタイトルがついている。
にーらん石の写真がチラシにもチケットにも印刷されていて、思わず「ゆばなうれ!ささ、ささ、ゆがなうれ」と囃子が口から飛び出してくる。
 気分はいやがおうにも盛り上がる。
 早く到着した竹富島元在住者の友人とちょうど舞台のまんなかあたりに位置する座席に座って、幕が開くのを待ち遠しい思いでわくわくしながら待った。
 左にはスライドで字幕もつくので、種子取祭で上映される狂言の詳しい意味がよくわかるのがありがたい。
 第一部は東京の郷友会の演目、そして休憩をはさんだ第二部は、竹富島からこの日のためにやってきた島人たちによる芸能。
 隣の元在住者たちは、音楽が聞こえてくると「懐かしい!」と声をあげる。
 舞台には、あれ、篤!アッ、長男!など、ヤマト嫁たちの夫が続々登場、貫禄ある芸達者ぶりを披露する。新良幸人や大島安克と同じ八重山高校芸能クラブのメンバーだった野原健は地方としても、また演目でもヤマト嫁と夫婦で踊ったり、大活躍であった。

 女性たちはやっぱりうまい。さすがは芸能の島、テーデンである。笑顔と姿勢の良さ、切れの良い所作、自然体のようでいて巧みな演技に舌を巻く。
 同子さんを筆頭に、娘の次子ちゃん、享子さん、顔はわかるのだが、名前がでてこない(どこそこの誰々・・的)島の人たちの歌と踊りには観客も大喝采
 しかし、ラストはモーヤーになったのに、なぜか客席のスタンディングオーバーがなく、うずうずしながら立ちたい気分を無理やり抑え、首をかしげるわたしであった。
 ところが、舞台が終了し、ホールへ出ると、そこには観客と芸能者の一大感動の出会いの輪が何重にも渦を巻いている・・。東京在住の親戚と島の人たち。懐かしい出会いがそこここで繰り広げられている。もちろん隣席の元在住者たちも、感動の再会と撮影大会へ。

 わたしもその懐かしい、うれしい、楽しい波動のおすそ分けに預かった。

 また、幕間のトイレでは、うれしい出会いが待っていた。
 神司の新田初さん、赤山家の新しい司はちょうどうしろの客席に座られていた。
 島で見るファッションと違って、新鮮な印象だ。そう言うと初さんは言った。
「いつもはなかなかおしゃれする機会がないでしょ。今日はおしゃれしようと思って」
 パールのネックレス、オフホワイトの艶のあるスーツがお似合いだった。
会場には、いつものファッションである作務衣に身を包んだ上勢頭芳徳さんがいて、マスコミ対応に追われているようだった。
 このような生まれ島を想う郷友会の熱心な活動が、本土でもメディアに登場してほしいものだ。
 東京にこんなにたくさんの竹富島出身者が住んでいるのかというのも驚きであったが、芸能が島をひとつにする力をもっていること、ネガをポジに反転する祝祭の力に、あらためて気づいた一日であった。
 また、父親のゆがふ館展示が6月いっぱいまで延長されたことをお会いした方々に伝えたら、多くの島の方がもう見てくださったこともわかり、ほんとうにうれしかった。
 東京在住の竹富出身者の方々にもみていただければうれしい。
 大谷喜久雄さんに展示のハガキをお渡ししたので、機会があればぜひお運びください。
 みなさま、お疲れさまでした!