募金終了のお知らせ 3 感謝と御礼

 4月6日は、大磯にある山本義一の墓に詣で、額縁募金の終了の報告をした。
 みなさまのご協力にあらためて心より御礼申し上げます。
 大磯駅のあたりは、ホームからも満開の桜をみることができて、まさに春爛漫の候。
 山は木々の新緑に彩られ、ぼうっとかすんでいる。
 二宮の実家近くにある弓道場と公園のあたりも、桜がいっせいに咲いていた。

 葛川のほとりに、木製の小さな橋がかかっており、桜と菜の花が咲く桃源郷のような一角があった。これらの風景を、義一は油絵に描いているだろうか。一周忌の頃に予定している展示のためにもさがしておこうと思った。


 今回の滞在は、4月29日から「竹富島ゆがふ館」にて展示される義一の絵を梱包するためだ。百号の絵は手伝いを頼むはずだったが、時間があわなかったこともあって、自分で少しずつ3階のアトリエからおろしてきた。
 ほかの絵もすべて箱に入れて梱包できた。あとは、父の絵画教室の生徒だったという方と連絡がとれたので、百号の絵の額装についても相談するつもりだ。運送方法も百号は飛行機に乗せられないサイズだというので、船便での発送にすることになった。
 来週また、最後の荷造り準備にとりかかろう。
 そして、4月17日には、多摩美術大学鶴岡真弓のゼミの学生たちに、「山本義一の展覧会 竹富島での実現にむけてーー戦争体験画と癒しとしての風景画」というような内容でお話しさせていただけることになった。
 今年は戦後70年の節目の年。義一にとっては孫にあたる世代の方々に、祖父の時代の戦争体験について少しでも思いをめぐらせていただけたら、と思っている。いま彼らが、このわたしが、こうして生きているのは、祖父や祖母たちが生き抜いてきたからである。日本が戦争をしていたのは、なにも大昔のことではない。ほんのついこのあいだのことなのだ。
 美術の勉強をしている若い人たちに、専門家でもない私がなにを語ればいいのかとも思うけれども、ありのままの山本義一の戦争体験の絵(「噫、牡丹江よ!」は通夜会場のスナップしかないが)と、竹富島や湘南の風景画についての私見をお話しさせていただこうと思っている。このような機会をくださった鶴岡真弓さんに感謝している。
 竹富島での展示のお知らせの葉書を作成した。

 ほんとうにみなさまのおかげです。
 心より御礼申し上げます。